2008年07月13日

5年生存率の正確な定義

 「5年生存率」という言葉は非常に曖昧というか、説明が必要な用

語です。
 
 
 ドラマなどで癌を告知した時に「5年生存率は・・・」などと使っ

ていますが、あまり正確に使っているとは思えません。

 
 なぜなら、5年生存率とは、「5年以内に亡くなられた患者さん」

を指す言葉ではないからです。

 
 国立がんセンターの説明によれば、5年生存率とは

「がんの治療開始から5年後に、生存している人の割合」 ということ

だそうです。


 ここからは、非常に厳密な話になります。

 
 まず、癌はその種類によって、何年間「再発」がなければ「治っ

た」という定義からして違いがあります。

 
 ここでいう「再発」とは、治療しても体内に残ったがんの細胞や組

織が、検査で再び発見される「大きさ」のことを指します。

 
 体内にがんの細胞や組織があってもあまりに小さすぎて見つからな

いケースが存在するからです。

 
 つまりがんが身を潜めている場合、現実には癌細胞がありますが、

医学的には「再発」とは見なさないのです。

 ちょっとややこしいですね。

 
 「大きさ」という概念を前提に続けて読んで下さい。

 
 多くの種類の癌では、治療して残った癌細胞は成長が早く、5年以内に検査で見つかる大きさになります。
 
 
 したがって、完治出来なかった癌が体内に残っていた場合、それら

の癌細胞は5年以内に「大きく」なって「発見」されてしまうので

す。

 
 逆に言えば、5年経っても癌細胞が発見されない場合は、完治した

と見なすことが出来ます(乳がんなどを除く)。


 こういう医療の背景から「5年生存率」という概念が存在します

が、あくまで「治療の目安」と考えるのが無難ではないでしょうか(患者として)。


 これらの「大きさ」「発見」「5年以内」というポイントを押さえ

て、もういちど国立がんセンターの定義に戻ってみます。


 「がんの治療開始から5年後に、生存している人の割合」

  
 これは厳密に見れば「生存している割合」ということですから、

 不慮の事故や別の病気で亡くなられた方も含めているのです。

 また、生存はしているが放射線治療や化学治療を受けている患者様

 も含めているのです。


 非常に定義が曖昧だと思います。

 上記の内容をまとめると、5年生存率とは、生存している方の割合

であって、癌を患っていても生存している割合も含めますし(その逆

も含めます)、何か別の原因でお亡くなりになられたのも含めます、

完治はしていないが生存している方の割合も含めることになります。

 
 非常に幅が広いので、あくまで目安程度に考えるべきではないでし

ょうか?








 
 
タグ:舌癌
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posted by HARUKI at 19:40| Comment(0) | 生存率と舌癌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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